贋作


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『侵華日軍暴行総緑』に掲載されている人体実験の写真とされるもの。1985年に雑誌『ゼンボウ』は、この写真を、昭和3年(1928年)の済南事件において中国兵によって惨殺された邦人の遺体検分写真であると報じた。同様の検分写真は、二年前に同誌にて報じられており、それによると、当時の領事館警察を務めた人の遺品として見付かったという。

『侵華日軍暴行総緑』でのキャプションには「日軍”一〇〇部隊”在用活着的中国人作細菌戦実験」とあり、七三一部隊でないことに違和感を感じさせるが、それこそが写真の出所経緯を暗示している。シェルダン・H・ハリスや中国政府にこの写真を提供した贋作者は同一人物だ。

そして写真の原版自体は、『ゼンボウ』に寄稿した江口圭一教授の話からも、検死を撮影させた現地の写真師の元から、当時、すでに焼き増し写真が出回っていたと思われる。土産写真として売られていた可能性すらある。
常石敬一教授が森村誠一『続・悪魔の飽食』での誤用を指摘した写真と同じように、この写真も人体実験の写真ではない。現代において公に存在する本物の人体実験の写真は駐蒙軍の冬季研究に関するものだけである。

初出:http://shanxi.nekoyamada.com/archives/000363.html

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